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TRI KongTong I2 実機レビュー | 12mmで鳴らし切る平面IEM

はじめに最初にTRI KongTong I2を聴いたとき、思った以上に早く、あることに気づいた。――低域が、きちんと鳴っている。12mmの平面磁界型ドライバー。正直なところ、スペックを見た段階では「低域は控えめだろう」と予想していた。実際、これまで聴いてきた平面IEMの多くは、サイズに関係なく低音が軽い、あるいは量感を抑えたチューニングが多かった。だがTRI KongTong I2は違った。サブベ...
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final TONALITE レビュー|DTASの衝撃とZE8000 MK2との比較で分かった真価

はじめに完全ワイヤレスイヤホン(TWS)は、すでに十分に成熟したカテゴリーだ。ノイズキャンセリングは強力になり、接続は安定し、バッテリーも実用十分。その一方で、多くの製品が「分かりやすい低音」や「より強いANC」といった方向に寄り、音そのものの思想で差別化することが難しくなっている。そんな状況の中、final が最新フラッグシップとして投入したTONALITE(トナリテ) は、明らかに違う方向を向...
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TANCHJIM ORIGIN LOST MANOR 実機レビュー | 豪華で高品質な付属品とビルドクォリティの限定版

はじめにTANCHJIM ORIGIN LOST MANORは、通常モデルのORIGINをベースにした限定版だ。ただし、その違いは単なるカラバリや小変更ではない。イヤホン本体のビルドクオリティ、背面に刻まれた意匠、そしてアートブックやアクリルスタンドを含む付属品一式まで含めて、「音響機器」であると同時に「作品」として成立させようという意志が、最初から明確に見える。実際、パッケージを開けた瞬間に感じ...
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TRI I3 MK3 レビュー|中域を核に据えたトライブリッドの実像

はじめにTRI I3 MK3 は、トライブリッド構成という言葉から想像されがちな「派手さ」や「分かりやすい刺激」とは、少し距離を置いたイヤホンだ。低域・中域・高域それぞれに異なるドライバーを割り当てながらも、音作りの主眼はあくまで中域、とりわけボーカル表現に置かれている。本記事では、I3 MK3 の音の骨格や帯域ごとの特徴、そして実際に使って見えてきたキャラクターを淡々と書き出していく。派手な評価...
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FiiO M27 Titanium Alloy 実機レビュー | DX340と“近い”からこそ見えたもの

はじめにDAPのレビューでは、「解像度が高い」「音場が広い」「駆動力がある」といった言葉が並びがちだ。だが、ある価格帯・性能帯を超えると、それらの言葉はほとんど差別化にならない。その先で問われるのは、そのDAPの音を“基準として信じられるかどうか”。今回レビューするFiiO M27 Titanium Alloyは、まさにその問いに正面から答えてくるDAPだ。結論を先に書くと、これは「感動を盛るDA...
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NICEHCK Himalaya レビュー|華やかな中域とスピード感、クールにまとまった1DD

はじめにNICEHCK Himalaya は、同社ラインナップの中でも明確にフラッグシップ寄りに位置づけられる 1DD(ダイナミックドライバー1基)構成のイヤホンだ。価格帯は決して安くなく、いわゆる「中華イヤホンのコスパ枠」として語るモデルではない。本レビューでは、過剰な賛美や「価格以上に鳴る」といった曖昧な表現を避け、実際に聴いて感じた音の完成度とキャラクターを、できるだけ整理して伝えていく。試...
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Kiwi Ears Aether レビュー | モニター的なのに心地よい、“平面一発の完成形”

はじめにKiwi Ears Aether は 15.3mm の平面磁気ドライバー単発という珍しい構成を採るイヤホンだ。一般的な“平面=刺さる/薄い”というイメージとは違い、非常に自然で扱いやすい音に仕上がっている。結論としては、クリアでニュートラル。女性ボーカルが特に美しい。平面ドライバーの長所を活かしつつ、欠点は最小限に抑えたバランス型。試聴環境DAP:iBasso DX340(4.4mmバラン...
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AFUL Performer 5+2 (Performer 7) レビュー|タイト低域と整理された中域、扱いやすいAFULサウンド

はじめにAFUL の Performer シリーズは、独自の音響チューブ構造と RLC ネットワークによって、タイトで情報量の多いサウンドを生み出すのが特徴だ。今回の Performer 5+2(Performer 7) は「Performer 5 の進化版」とされるが、実際に聴くと Performer 8 の“穏やかで扱いやすいバージョン” に近い仕上がりだった。低域は量感を維持しつつ膨らまず、...
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AFUL Performer 8 レビュー|量感ある低域と鋭い高域のリアルなバランス

はじめにAFUL のハイブリッド機は、独自の音響チューブ構造による“タイトで情報量の多いサウンド”が特徴だ。今回の Performer 8 は、その方向性をより先鋭化させた 1DD+7BA の上位モデル。低域は量感をしっかり出しつつも膨らまず、高域は鋭いエッジを伴って細部を描き切る。一方で、シンバルの倍音が強調されるなど、隠れたクセもある。良いところも弱点も含めて、“リアルにどう聴こえるのか” を...
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Kiwi Ears Quintet レビュー|沈む低域、前に出るボーカル、抜ける高域。派手さより“完成度”を選んだクール系ハイブリッド

イヤホンのチューニングには避けられない三角関係がある。低域を沈ませれば中域が埋もれ、高域を伸ばせばボーカルが後ろに下がる。帯域をすべて主張させながら破綻なくまとめるのは簡単ではない。Kiwi Ears Quintetは、その難題を真正面からクリアしている。派手さで“分かりやすい感動”を与えるタイプではない。だが、長時間向き合うほど「このイヤホンは設計がうまい」と分かる。そんなモデルだった。試聴環境...
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KZ PRX レビュー | 2,500円台で聴ける“理性的ドンシャリ”

はじめにまたイヤホンを買ってしまった。しかも旅先で(笑)今回のターゲットは KZ PRX。AliExpressでなんと2,500円台という価格で売られていたプラナー一発モデルだ。国内Amazonでは9,800円前後。つまり、同じ製品が約4倍の価格差で流通している。どう考えても価格バランスが崩壊している。期待半分、ネタ半分で注文したのだが──実際に聴いてみたら、「これはネタじゃなくてマジで良い方のK...
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Kiwi Ears × HBB Punch レビュー | 贅沢な構成に潜む“惜しさ”。Knowles+Sonionの実力を活かしきれなかった理由 ―

はじめにKiwi Ears × HBB Punch。構成だけ見れば、まるでハイエンド機のようだ。10 mmダイナミックドライバー、Knowles BA ×2、そしてSonion EST ×2――オーディオファンなら誰もが「これは来た」と思うラインナップ。ただ、実際に聴いてみると第一印象は「全体的に眠い音」。低域も高域もきちんと出ているのに、全体にキレがなく、熱量が伝わってこない。「悪くはないけど、...
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Spotifyロスレス音質を試してみた|Apple MusicやQobuzとどこが違う?

はじめに長らく「いつ来るのか」と言われ続けてきた Spotify のロスレス配信が、ついにスタートしました。Apple Music や Amazon Music がすでにロスレス・ハイレゾを標準搭載していた中で、Spotify だけが遅れていた状況。ようやく Premium 会員向けに FLAC 24bit / 44.1kHz のロスレスが解禁され、業界標準に追いついた格好です。普段から複数の I...
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アラウンド2万円イヤホン比較レビュー|NiceHCK NX8 / LETSHUOER S12 2024 / Moondrop(水月雨) Aria 2 を聴き比べ

はじめにここ数年、イヤホン市場は驚くほど進化している。以前は「2万円前後のイヤホン」といえば入門〜中級のポジションで、ある程度の妥協を前提に選ぶものだった。しかし今では、この価格帯にも「十分楽しめる」「フラッグシップとは別の魅力を持つ」製品が数多く存在する。今回取り上げるのは、NiceHCK NX8、LETSHUOER S12 2024 Edition、そしてMoondrop Aria 2の3機種...
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スマホ+TWSで十分?それでも高音質DAPが手放せない理由 | LE Audio時代に見えてきたワイヤレスの限界

はじめに完全ワイヤレスイヤホン(TWS)は、この数年で劇的な進化を遂げてきた。かつては「利便性優先で音質は妥協」という立ち位置に甘んじていたが、いまや状況は一変している。LDACやaptX Adaptive、aptX Lossless、さらには新世代規格であるLE Audio(LC3)といった最新コーデックの普及によって、TWSでも“高音質ワイヤレス”という言葉が現実味を帯びるようになった。さらに...
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