最近コードを書いていないエンジニアの話

技術

はじめに

最近、個人開発をしていて不思議なことに気づいた。

自分はエンジニアのはずなのに、
あまりコードを書いていない。

もちろん完全に書いていないわけではない。
コードは読むし、レビューもする。
必要があれば修正もする。

ただ、キーボードを叩いてコードをゼロから書く時間は、驚くほど減った。

体感で言うと、
コードの99%くらいはAIが書いている。

最初は単なる便利ツールのつもりだった。
でも気がつくと、開発の構造そのものが変わっていた。

そしてもう一つ変わったことがある。

個人開発のスピードが、信じられないくらい速くなった。

今日はその話を書いてみたい。


AIは最初、ただの便利ツールだった

AIを開発に使い始めたのは、特別な理由があったわけではない。
多くのエンジニアと同じように、コード補完や調べ物の代わりとして使い始めただけだった。

関数を書かせたり、エラーを直させたり、簡単なロジックを生成させたり。
いわゆる「ペアプログラミングAI」という使い方だ。

最初のうちは、それだけでも十分便利だった。
ドキュメントを調べる時間が減り、単純な実装を考える手間も減る。
エンジニアとしてはかなり快適な進化だった。

しかししばらく使っていると、あることに気づく。

部分的にコードを書かせるより、
最初から全部書かせた方が速い。

そこから、開発スタイルが少しずつ変わり始めた。


今の開発スタイル

現在の個人開発では、AIツールを役割分担させて使っている。

設計や要件整理をするときには
Claude Code
を使うことが多い。

新しい機能を作るとき、まずは何を作るのかを整理する。
どんな問題を解決するのか、どういう構造になるのか、どんなデータを扱うのか。
Claude Codeと会話しながら要件を分解していくと、システムの輪郭が徐々に見えてくる。

実装の段階になると、今度は
Codex
を使う。

Codexはとにかく実装が速い。
既存コードを読ませて変更点を伝えると、差分をかなり自然に書いてくれる。
まるで実装担当のエンジニアがもう一人いるような感覚だ。

そして設計メモや仕様は
Obsidian
にMarkdownでまとめている。
書いたドキュメントはそのままAIに読ませることができるので、AIとの共通コンテキストとしても機能する。

こうして振り返ると、開発の役割は少し不思議な構造になっている。

人間は方向性を決め、設計を整理し、最終的なレビューをする。
AIは実装を担当する。

つまり今の個人開発は、
AIとチーム開発している状態にかなり近い。


最近コードを書いていない

この開発スタイルになって、一番大きく変わったのは作業内容だ。

以前は、とにかくコードを書く時間が長かった。
関数を書いて、動かして、バグを直して、また書く。
エンジニアの仕事といえば、このループだった。

しかし今は違う。

仕様を書く時間が増え、設計を整理する時間が増えた。
その代わり、コードを書く時間は驚くほど減った。

AIに実装させるときは、何を作るのかを明確に伝える必要がある。
だから自然と、設計や仕様を言語化する作業が増える。

結果として、エンジニアの作業は
コードを書く仕事から
構造を考える仕事へと変わっていく。


個人開発のスピードが変わった

そしてもう一つ大きな変化がある。

個人開発のスピードが、明らかに速くなった。

以前の個人開発はどうしても時間がかかった。
仕事の合間に少しずつ書いて、週末にまとめて作業して、それでも完成まで何ヶ月もかかることが珍しくなかった。

AIを使うようになってからは、その感覚が大きく変わった。

設計さえ固まれば、実装が一気に進む。
APIも、データベースも、UIも、ある程度まとめて作ってくれる。

もちろん完全に放置できるわけではない。
レビューも必要だし、細かい修正も入れる。

それでもゼロから書くより圧倒的に速い。

体感としては、
個人開発の実現速度が何倍にもなったような感覚がある。


AI時代、個人開発の難しさは変わった

ここで面白いことが起きる。

AIによって実装が速くなると、
個人開発の難しさは別のところに移動する。

以前は、最大のボトルネックは「実装」だった。

アイデアがあっても、実装する時間が足りない。
設計を考えるのは楽しいが、実際にコードを書くのは大変だ。

だから多くの個人開発は、途中で止まってしまう。

しかしAIが実装をかなりの速度で進めてくれるようになると、状況が変わる。

実装はそれほど問題ではなくなる。

代わりに難しくなるのは、
何を作るのかを決めることだ。


個人開発のボトルネックはアイデアになる

AIを使って個人開発を続けていると、あることに気づく。

作ろうと思えば、かなりのスピードで作れてしまう。
だからこそ問題になるのは、
次に何を作るかということだ。

これは少し不思議な感覚だ。

以前は「作るのが大変」だった。
だからアイデアがあっても実現までの距離が遠かった。

しかし今は、アイデアさえあれば比較的すぐ形にできる。

その結果、個人開発のボトルネックは
実装ではなく、
発想や構想の部分に移っていく。


AIは優秀な新人エンジニア

個人的な感覚としては、AIは「めちゃくちゃ優秀な新人エンジニア」に近い存在だと思っている。

実装は速い。
文句も言わない。
24時間働いてくれる。

ただし、仕様の理解はまだ浅い。
文脈を完全には理解していないこともある。

だから人間は、方向性を決める役割になる。
設計を整理し、レビューをして、必要なら修正する。

これはある意味、エンジニアというより
Tech LeadやPMに近い仕事なのかもしれない。


まとめ

AIを使った開発を続けていると、エンジニアの仕事が少しずつ変わっていることを感じる。

以前はコードを書くことが中心だった。
今は構造を考えることが中心になりつつある。

AIがエンジニアを完全に置き換えるのかと言われると、少なくとも今の時点ではそうではない。
ただし役割は確実に変わり始めている。

コードを書くことよりも、
何を作るのかを考え、どう構造化するのかを決める。

そういう仕事が、これからますます重要になっていくのだと思う。

そして個人的に一番驚いているのは、
個人開発の実現速度が大きく上がったことだ。

エンジニアなのに最近あまりコードを書いていない。
それでも作れるものはむしろ増えている。

AIと開発するというのは、
思っていたよりずっと
チーム開発に近い体験なのかもしれない。

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