TRN WhaleShark レビュー | 2万円クラスとは思えない完成度のハイブリッドIEM

音楽

はじめに

中華IEMはここ数年で大きく進化している。
かつては「安いけれどチューニングが極端」という製品も多かったが、最近は価格以上の完成度を持つモデルも増えてきた。

今回レビューする TRN WhaleShark は、まさにその典型と言えるイヤホンだ。
3基のダイナミックドライバーと平面駆動ユニットを組み合わせた構成で、2万円前後という価格帯ながら非常にバランスの取れた音を実現している。

実際にしばらく聴き込んでみたが、正直この価格帯としてはかなり完成度が高い。
本記事では、構成・音質・装着感などを含めて詳しくレビューしていく。


TRN WhaleShark の仕様

まずは基本スペックを整理しておこう。

ドライバー構成

  • 10.5mm ベリリウムコーティング複合振動板(低域)
  • 8mm PET振動板(中域)
  • 6mm チタンコーティング振動板(高域)
  • 6mm 平面駆動ユニット(超高域)

つまり 3DD + 1Planar(平面駆動) の構成になっている。

主な仕様

  • インピーダンス:16Ω
  • 感度:110dB
  • 再生周波数帯域:10Hz–40kHz

多くのハイブリッドイヤホンはBAドライバーを採用するが、WhaleSharkはBAを使わず、ダイナミックドライバーを主体にした構成になっているのが特徴だ。

この設計が音の自然さにも大きく寄与している。


外観とビルドクオリティ

筐体は金属製で高級感があり、価格帯を考えると質感はかなり良い。

最近の中華IEMは外装の出来も非常に良くなっており、WhaleSharkもその流れにある。
装着感も悪くなく、耳への収まりも自然だ。

ケーブルは着脱式で、リケーブルにも対応している。


音質レビュー

WhaleSharkの音は、一言で言うなら

バランス型でややウォーム寄り

だ。

極端に強調された帯域はなく、全体が自然に繋がるチューニングになっている。

低域

低域は タイト寄りでしっかり量感もある

ベリリウムコーティング振動板のダイナミックドライバーらしく、立ち上がりが速く、余計な膨らみも少ない。
重低音を強調したドンシャリ型というよりは、音楽全体を支えるタイプの低域だ。

量感は十分あるが、暴れる感じはない。
あくまでバランス重視の低域と言える。

中域

WhaleSharkで一番印象が良かったのは中域だ。

ボーカルがしっかり前に出る。

多ドライバー構成のイヤホンでは中域が凹んでしまうこともあるが、このモデルはそうした違和感がない。
PET振動板のダイナミックドライバーのおかげか、音色も自然で聴きやすい。

ポップスやロック、ボーカル中心の楽曲では特に相性が良いと感じた。

高域

高域は 伸びやかで滑らか

チタンコーティングドライバーと平面駆動ユニットの組み合わせによって、空気感や余韻が綺麗に表現される。

刺さるようなピークは感じず、長時間聴いていても疲れにくい。
それでいてシンバルの余韻や高域の伸びはしっかり感じられる。

この価格帯としてはかなり優秀な高域表現だと思う。


クロスオーバーの自然さ

WhaleSharkは複数ドライバー構成だが、クロスオーバーの不自然さはほとんど感じない。

これは大きなポイントだ。

ダイナミックドライバー主体の構成になっているため、音色の統一感がある。
BAドライバーを多用したイヤホンでありがちな「帯域ごとの音色の違い」も少ない。

結果として、音の繋がりが非常に自然に感じられる。


音の傾向

全体としての傾向は以下の通り。

  • 低域:タイトで量感は適度
  • 中域:ボーカルが前に出る
  • 高域:伸びやかで刺さらない
  • 音色:やや暖色寄り
  • バランス:非常に良い

特定の帯域に強いピークがあるタイプではなく、全体のまとまりを重視したチューニングだ。


2万円クラスとしての評価

結論として、

2万円前後のイヤホンとしてはかなり完成度が高い。

この価格帯では

  • チューニングが極端
  • 低域が暴れる
  • 高域が刺さる

といった弱点を持つモデルも多い。

しかしWhaleSharkはそうした問題が少なく、
誰が聴いてもバランス良く感じる音に仕上がっている。

派手さよりも完成度を重視したモデルと言える。


まとめ

TRN WhaleSharkは、

  • 3DD + Planar のハイブリッド構成
  • バランスの良いチューニング
  • 自然な中域とボーカル表現
  • 伸びやかな高域
  • タイトで質の良い低域

といった特徴を持つイヤホンだ。

極端なキャラクターはないが、その代わり完成度が高く非常に聴きやすい音になっている。

2万円クラスでバランス型のイヤホンを探しているなら、
十分に検討する価値のあるモデルだと思う。

中華IEMの進化を感じさせる、なかなか面白いイヤホンだった。

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