SONY WF-1000XM6 レビュー(後編)| XM5と比較して見えたノイズキャンセリングと外音取り込み

音楽

はじめに

前編では Sony WF-1000XM6 の音質や使い勝手について、前モデルの Sony WF-1000XM5 と比較しながらファーストインプレッションを書いてみた。

XM6は音の方向性自体はXM5と大きく変わらないものの、

  • 低域の締まり
  • ボーカルの存在感
  • トランジェントの速さ

といった部分が少しずつブラッシュアップされており、全体として完成度が高められている印象だった。

後編では、完全ワイヤレスイヤホンとして日常的に使ううえで気になる

  • ノイズキャンセリング性能
  • 外音取り込み(アンビエントモード)
  • 装着感
  • 接続安定性

といったポイントを、XM5と比較しながら見ていきたい。

なお試聴環境は前編と同様。

試聴環境

  • 再生端末:iPhone 15 Pro Max
  • 接続コーデック:AAC
  • ストリーミング:Apple Music

iPhoneではLDACが利用できないため、今回はAAC接続での試聴となる。


ノイズキャンセリング

まずはノイズキャンセリング性能について。

前提として書いておきたいのは、
XM5のノイズキャンセリングはもともとかなり優秀だったということだ。

電車の走行音やエアコンの低いノイズ、街中の環境音など、日常生活で気になる低域のノイズはかなりしっかり抑えてくれる。
実際に通勤や外出時に使っていても、そのあたりのノイズキャンセリングイヤホンより明らかに静かだと感じる場面は多かった。

そのためXM6についても、

「ノイズキャンセリングが劇的に強くなった」

という印象ではない。

むしろ基本的な性能としては、
XM5の時点でかなり完成されていたと言えるだろう。


XM6のノイキャンの違い

とはいえXM5とXM6を比較してみると、
細かな違いは確かに感じられる。

特に感じたのは

高域側のノイズ処理だ。

例えば

  • 周囲の話し声
  • 食器や金属の音
  • 細かな環境ノイズ

といった帯域は、XM6の方がほんの少しだけ抑え込みが強いように感じる。

低域のノイズキャンセリングについてはXM5でもかなり強力だったが、
XM6ではそこに加えて

細かな環境音がさらに静かになる

という印象だ。

ただしこの違いはかなり小さい。
XM5から乗り換えてすぐに誰でも分かるほどの差ではなく、あくまで聴き比べてみると

「少し効きが良いかもしれない」

と感じる程度の違いだと思う。


ノイキャンの方向性はXM5と同じ

もう一つ感じたのは、
ノイズキャンセリングの方向性自体はXM5とかなり近いということだ。

ソニーのノイズキャンセリングは、すべての音を完全に消す方向ではなく、

必要な音はある程度残す

というチューニングになっている。

例えば電車の中で使うと、

  • 走行音などの低域ノイズはしっかり消える
  • しかし車内アナウンスなどはある程度聞こえる

というバランスになる。

これは安全面を考慮した設計だと思うが、XM6でもこの方向性は変わっていないように感じた。

つまりXM6のノイズキャンセリングは

XM5の方向性を維持しながら、細かな部分をブラッシュアップした進化

という印象だ。


外音取り込み(アンビエントモード)

外音取り込みについても、まず言っておきたいのは

XM5の外音取り込みはすでにかなり優秀だった

ということだ。

最近の完全ワイヤレスイヤホンでは外音取り込みの性能も重要なポイントになっているが、XM5のアンビエントモードはその中でもかなり自然な部類だった。

周囲の音をしっかり取り込みながらも不自然な強調感が少なく、イヤホンをつけたままでも会話がしやすい。

そのためXM6についても

「劇的に変わった」

というほどの変化ではない。

ただし実際に比較してみると、XM6の方が

より自然に聞こえる

という印象を受けた。


外音の自然さ

XM6の外音取り込みは、周囲の音がより自然に聞こえる。

例えば

  • 音の質感
  • 距離感
  • 空間の広がり

といった部分が、XM5より少しだけリアルに感じられる。

XM5でも十分自然だったが、XM6では

イヤホンをつけていることを忘れるような感覚

に少し近づいている。

日常生活の中で

  • 店員との会話
  • 周囲の状況確認

といった場面では、この自然さはかなりありがたい。


自分の声の聞こえ方

XM5とXM6の違いとして分かりやすかったのが

自分の声の聞こえ方だ。

イヤホンを装着した状態で話すと、どうしても声がこもったように感じることがある。
いわゆる「自声閉塞感」と呼ばれるものだ。

XM5でもこの点はかなり優秀だったが、XM6ではさらに改善されているように感じる。

実際に装着したまま話してみると

XM6の方が声の詰まりがかなり少ない。

自分の声がより自然に聞こえるため、イヤホンをつけたままでも違和感なく会話できる。

細かな違いではあるが、日常的に使うイヤホンとしては結構大きい改善だと思う。


装着感

装着感については、XM5もかなり優秀だった。

サイズも比較的コンパクトで耳への収まりがよく、長時間装着していてもそこまで負担を感じない。

XM6もその装着感の良さをしっかり引き継いでいる。

装着してみると耳へのフィット感は非常に自然で、違和感はほとんどない。

もちろん

「つけていることを完全に忘れる」

というほどではないが、日常的に使うイヤホンとしてはかなり快適な装着感だと思う。


接続安定性

接続の安定性についても、XM5とXM6の両方で特に不満は感じなかった。

日常的に使っている範囲では音が途切れるような場面はほとんどなく、接続の安定性はかなり優秀だと思う。

実際に

  • 渋谷
  • 新宿

といった人の多い場所でも使ってみたが、特に接続が不安定になることはなかった。

Bluetooth機器が多い環境でも問題なく使えるので、このあたりはソニーの完全ワイヤレスイヤホンらしい安定感だと思う。


後編まとめ

XM6をしばらく使ってみて感じたのは、

XM5の完成度をさらに高めたモデル

という印象だった。

ノイズキャンセリングや外音取り込みについてはXM5の時点でかなり完成度が高かったが、XM6では

  • 高域ノイズの抑え込み
  • 外音取り込みの自然さ
  • 自声閉塞感の少なさ

といった部分が少しずつブラッシュアップされている。

また

  • 本体のグリップ感
  • ケースからの取り出しやすさ

といった細かな使い勝手も改善されており、日常的に使うイヤホンとしての完成度は確実に高くなっている。


前後編総評

今回 Sony WF-1000XM6 を実際にしばらく使ってみて感じたのは、
XM5の完成度をさらに高めた正統進化モデルという印象だった。

前編で触れた音質については、XM5と大きく方向性が変わったわけではないものの、

  • 低域の締まり
  • ボーカルの存在感
  • トランジェントの速さ
  • 音場のわずかな広がり

といった部分が少しずつブラッシュアップされている。

また後編で見てきた

  • ノイズキャンセリング
  • 外音取り込み
  • 装着感
  • 接続安定性

についても基本的な方向性はXM5と同じだが、細かな部分で完成度が高められている印象だった。

ただし Sony WF-1000XM5 自体がすでに完成度の高いイヤホンであるため、XM5を使っていて特に不満がないのであれば、必ずしも急いで買い替える必要はないと思う。

一方で

  • より完成度の高いモデルを使いたい
  • 細かな使い勝手の改善に魅力を感じる

という人であれば、XM6への買い替えは十分満足できる進化だと感じた。

XM6は、XM5の良さをしっかり受け継ぎながら
さらに完成度を高めたソニーらしいフラッグシップTWSと言えるだろう。

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