イヤーピースで音はこう変わる —— SONY純正を基準に9種類を比較

音楽

はじめに

イヤホンの音は「本体のドライバー」で決まる? もちろん大部分はそうです。
でも実際に耳に届く音を左右しているのは、意外にもイヤーピースの影響が大きい。

耳との密閉度、ノズルの開口部、素材の硬さや厚み……。
これらの違いが、低音の出方や高域の伸び、ボーカルの距離感までも変えてしまいます。

今回は SONY ハイブリッドイヤーピース を基準に、人気の9種類を比較しながら「音がどう変わるか」「どんな人に合うか」を解説します。


基準:SONY ハイブリッドイヤーピース

SONY純正のハイブリッドイヤーピースは、多くのユーザーにとって最初に出会う“基準点”。

  • 音質:ややウォーム寄り。中域が厚く、高音の刺さりを抑える。
  • 装着感:軽く柔らかい。長時間でも疲れにくい。
  • 印象:派手さはないが安定していて、どんな音源でも安心して聴けるバランス型。

この「無難さ」を基準に、他のイヤーピースがどうキャラクターを変えるかを見ていきます。


AZLA SednaEarfit XELASTEC II

  • 変化点:高域が鋭く伸び、解像度が増す。低域は基準より軽め。
  • 聴感:モニター的でシャープ。弦楽器やハイハットがくっきり浮かぶ。
  • 装着感:体温で軟化し、耳に吸いつくようにフィット。ただし夏場のベタつきや劣化が早いのは弱点。
  • 印象:細かい音を拾いたいリスナー向き。低音より透明感を重視する人に。
AZLA SednaEarfit XELASTEC II Standard [イヤーピース M/ML/Lサイズ各1ペア] 最高水準の熱可塑性エラストマー(TPE素材)採用 軸部強化設計 ハニカム構造ワックスガード搭載 低刺激 低圧迫【AZL-XELASTECII-ST-SET-L】
AZLA
【Ultimate auto-fit ear tips - 至高の装着感を提供するオートフィットイヤーピース】AZLAは、788人の外耳道分析とイヤーピースでは成形が困難であったTPE素材を独自の技術によって可能にし、吸いつくようなフィット感と優れたサウンドクオリティを両立したイヤーピース「SednaEarfit XELASTEC」を2020年に発売し、大きな支持を得ました。『SednaEarfit XELASTEC II』は、ブランドの代名詞的製品となったSednaEarfit XELASTECで得られたユーザーニーズを元に、約1万8000個にも及ぶサンプルテストを含む多くの研究と、これまで培ってきた知見、最新の独自技術を駆使して新たなブランドの代名詞となるべく新開発した至高のオートフィットイヤーピースです。

AZLA SednaEarfit MAX

  • 変化点:低音が豊かになりつつ、中高域の透明感も保つ。
  • 聴感:全体に厚みが増し、余裕のあるサウンドに。
  • 装着感:かゆくなりにくく、変形にも強い。長時間リスニングに向く。
  • 印象:バランスを取りつつリッチさを加える万能タイプ。

日本ディックス Pentaconn COREIR AL ALLOY

  • 変化点:低域がタイトに引き締まり、中高域が明瞭。音場の輪郭がシャープに。
  • 聴感:パンチが効いてアタック感が増す。リズムものとの相性良好。
  • 装着感:金属コアの堅さが耳に伝わり、長時間では疲れる人もいる。
  • 印象:スピード感と解像度を重視する人に。EDMや打ち込み系に◎。
[国内正規品] 日本ディックス イヤーピース Pentaconn COREIR - ペンタコン コレイル - AL ALLOY (MS 2ペア[PTM02-MS])
Pentaconn
※注意 本製品に使用している金属部品は、強い力を加えるとシリコン部品から外れる場合があります。 本製品の金属コアはアルミ合金素材に黒アルマイトを施しています。アレルギーをお持ちの方や、その可能性がある方、お肌が敏感な方はご使用をお控えください。 汚れが付着した場合は乾いた清潔な布でふき取ってください。

radius ディープマウント ZONE

  • 変化点:低域が力強く沈み込み、音の厚みがグッと増す。
  • 聴感:サブベースがしっかり鳴る一方、中高域も潰れにくく、迫力と抜け感を両立。クラブサウンド的な臨場感が出る。
  • 装着感:耳の奥までしっかりフィットし、遮音性も高い。ただし圧迫感を感じる人もいる。
  • 印象:重低音と立体感を求めるリスナーに最適。EDMや映画鑑賞で真価を発揮する。
ラディウス radius ディープマウントイヤーピース ZONE HP-DME2 : メディカルグレード 高いフィット感 重低音の迫力増強 高遮音性 イヤーピース イヤピース イヤーチップ イヤホンピース (クリア/全サイズ入り・各1セット) HP-DME20CL
ラディウス
【イヤホンの装着性を高める独自形状】一般的なイヤーピースと比較して耳のより奥の広いエリアでフィットする独自形状により密閉性が向上。豊かな低音再生とイヤホンの落下防止を両立する極めて安定した装着感を実現します。抗菌仕様のため永く清潔にご使用いただけます。

Final Eタイプ

  • 変化点:低音に厚みが増し、ボーカルが前に出る。中域が温かい。
  • 聴感:濃厚でリッチ。ポップスや歌モノが映える。
  • 装着感:柔らかくフィット感良好。サイズ展開も豊富。
  • 印象:クセが少なく、手軽に“濃い音”に寄せられる万能タイプ。

Final FUSION-G

  • 変化点:低域の厚みと高域の抜けを両立。Eタイプよりレンジ感が広い。
  • 聴感:フラット寄りで自然。長時間聴いても聴き疲れしにくい。
  • 装着感:外側は柔らかく、内側はしっかり支える構造で安定感が高い。
  • 印象:Eタイプの進化版ともいえるバランス型。万能さと快適さを強化した仕上がり。
final(ファイナル)FUSION-G フォームタイプとシリコンタイプが融合した次世代イヤーピース・高密閉・低圧迫 (グレー, L)
ファイナル(final)
【新トリプルハイブリッド構造】「超密度フォーム」「柔らかシリコン」「高弾性シリコン」の3つの素材を組み合わせた独自の「トリプルハイブリッド構造」で、高い遮音性と圧迫感のない快適な装着感を両立しました。

JVC SpiralDot++

  • 変化点:高域が自然に伸び、音場が広がる。中域の透明感も向上。
  • 聴感:抜けの良いサウンド。定位が安定し、全体にナチュラル。
  • 装着感:柔らかく、耳当たりが優しい。長時間でも快適。
  • 印象:クセを加えず、全体を自然に整えたい人に最適。

SpinFitシリーズ

  • 変化点:高域が明るくなり、定位がシャープ。低域はやや軽め。
  • 聴感:音場が広がり、スッキリしたバランス。
  • 装着感:耳の形によって安定感が変わる。合う人には最高だが、合わない人も。
  • 印象:空間表現を重視する人におすすめ。ジャズやクラシック向き。
SpinFit スピンフィット W1 ハイエンド有線イヤホン向けイヤーピース 医療用シリコン素材採用 (Lサイズ1ペア)
SpinFit
ハイエンド有線イヤホン向けイヤーピース、チューブの内径は4.4 mm。新パッケージに1ペア入りで、サイズ毎に購入可能。

まとめ:イヤーピースは“最後のEQ”

イヤーピースは単なる消耗品ではなく、「イヤホンの音をガラリと変えるチューニングパーツ」です。
今回比較しただけでも、低音の沈み込みが増すもの、ボーカルが前に出るもの、空間の広がりを感じさせるものなど、キャラクターはまるで別物。

  • ニュートラルな基準 → SONY ハイブリッドイヤーピース
  • しっかりした装着感と安定性 → AZLA SednaEarfit MAX / XELASTEC II
  • 金属コアでタイト&クリーン → Pentaconn COREIR AL ALLOY
  • 濃厚で音楽的な鳴り → final Eタイプ / FUSION-G
  • 重低音と立体感で没入 → radius ディープマウント ZONE
  • 高域の抜け感と空気感 → JVC SpiralDot++
  • 安定した定番のシリーズ展開 → SpinFitシリーズ

こう並べてみると、イヤホン本体の個性に“足し算・引き算”するような楽しみ方ができるのが分かると思います。
同じイヤホンでも、イヤーピースを変えるだけで「別の機種を聴いているように感じる」ことも珍しくありません。

結局のところ「正解」は一つではなく、自分の耳・音楽ジャンル・装着の快適さによってベストは変わります。
だからこそ、いろいろ試す価値があるし、気に入った組み合わせに出会えたときの満足感はひとしお。

イヤホンを新しく買うのも楽しいですが、まずはイヤーピースを交換して“音の冒険”をしてみるのもおすすめです。替えるよりずっと安く、手軽に音をチューニングできる。
「今の音に何か物足りなさを感じる」とき、まず試すべきはイヤーピースかもしれません。

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