暗号資産の取引といえば、BinanceやBybit、国内ではGMOコインやbitFlyerなどの中央集権型取引所(CEX)が有名です。
しかし、Web3の世界では運営主体が存在しない取引所=DEX(Decentralized Exchange)が大きな役割を果たしています。
DEXは、ブリッジやL2と並んでWeb3のインフラを支える重要な存在です。
自分のウォレットから直接資産を取引でき、KYC(本人確認)も不要。
一方で、自由度が高い分だけ自己責任での資産管理とセキュリティ対策が欠かせません。
本記事では、Web3の中でのDEXの役割・仕組み・代表例・使い方・注意点を10分で解説します。
DEXとは?
DEX(分散型取引所)は、スマートコントラクト上で動く暗号資産取引所です。
中央管理者がいないため、ユーザーは自分のウォレットから直接取引を行います。
- CEX(中央集権取引所):運営が資産を管理し、口座内で売買
- DEX(分散型取引所):資産は常に自分のウォレットにあり、取引はブロックチェーン上で完結
DEXでは、取引所アカウントに預ける必要がないため「取引所ハッキングで資産が消える」リスクは低減します。
しかし、ウォレットを守る責任は100%自分にあるということも意味します。
DEXの仕組み
AMM(Automated Market Maker)方式
多くのDEXは自動マーケットメイカー(AMM)を採用。
これは、流動性プールに預けられた資産を元に価格を自動計算し、注文を成立させます。
- ユーザーがETHをUSDCにスワップすると、プールのETHが減り、USDCが増える
- プール内の資産比率が変化し、それに基づいて価格が調整
- 流動性提供者(LP)は取引手数料を受け取る
例:Uniswap、SushiSwap、PancakeSwap
オーダーブック方式
一部のDEXはCEXのように注文板(オーダーブック)を採用。
AMMより価格の透明性が高く、トレーダー向けの指値・逆指値注文も可能です。
例:dYdX、Serum
代表的なDEX(2025年時点)
Uniswap(Ethereum系)
- 最大手DEX。ETH、Polygon、Arbitrumなど複数ネットワーク対応
- 豊富な流動性と安定したUI
- 独自トークンUNIでガバナンス運営
SushiSwap
- マルチチェーン展開の老舗
- スワップに加えてレンディングやイールドファーミングも可能
PancakeSwap(BNB Chain)
- BNB Chain最大のDEX
- 低手数料で、NFTやゲーム機能も搭載
Curve Finance
- ステーブルコインや類似資産交換に特化
- 低スリッページ取引に強み
DEXの使い方(例:Uniswap)
- 公式サイトにアクセス(https://app.uniswap.org)
- ウォレットを接続(MetaMaskなど)
- スワップ元とスワップ先のトークンを選択
- 数量を入力(手数料・レート・スリッページを確認)
- スワップを実行(ウォレットで署名)
- ブロックチェーン承認後にウォレット残高を確認
利用時の注意点
- 公式リンク必須:検索経由やSNS経由の偽サイトに注意
- スリッページ設定:低すぎると失敗、高すぎると不利約定
- ガス代確認:混雑時は高額になるため要注意
- 偽トークン回避:契約アドレスを公式から取得
- 価格影響(Price Impact):大口取引はプール価格を動かす可能性
DEXのメリット
- 口座開設不要(KYCなし)
- 資産は常に自分のウォレットに保持
- 世界中どこからでも利用可能
- 新規・ニッチなトークンも早期に取引可能
DEXのデメリット・リスク
- 詐欺トークンや偽サイトが多い
- スマートコントラクトのバグリスク
- 流動性不足による価格変動
- ガス代が高い場合がある
まとめ
DEXは、自分のウォレットから直接暗号資産を取引できる、Web3時代の象徴的な取引所です。
KYC不要で世界中どこからでも利用でき、CEXにない自由度があります。
しかし、その自由は「資産管理の全責任が自分にある」という裏返しでもあります。
この記事のポイントを行動に移すために、まずは以下の3つを徹底してください。
- 公式リンクをブックマークして使う
→ 偽サイト経由のアクセスを防ぐ - 契約アドレスは必ず公式ソースで確認
→ 偽トークンによる損失を防ぐ - 初回は必ず少額テスト送金
→ 手数料・スリッページ・動作確認を安全に行う
DEXはセキュリティ編で学んだ自己管理の知識とセットで使うことで、その真価を発揮します。
使い方を理解し、小額から安全に始めれば、CEXでは触れない多様な資産や戦略にアクセスできます。
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